コラム

2020年、広告マンガの市場はどうなる?マーケット動向を分析

広告マンガの知識

マンガ離れは間違いだった:拡大する電子コミック市場

最近、紙媒体である雑誌の売上の落ち込みから、マンガ離れを指摘する声があります。
マイナビの調査によると、2015年時点で、大学生のうち1ヶ月に1回もマンガを読まないという人が過半数を超えたというデータも存在します。

しかし、マンガの読み手は何も大学生だけではなく、高校生までの若者や社会人など、幅広い層を見ないと市場の状況を掴むことはできません。
すべての世代を総合した結果としてのマンガ市場の規模は、実際のところ本当に縮小しつつあるのでしょうか。

実は、マンガ市場そのものは、紙媒体と電子コミックを合わせると、2014年からほぼ安定しています。
2017年には4,400億円を一時割り込んだものの、2018年には再び回復し、推計では4,414億円になっています。

図1 コミック市場の規模推移

ただ、読まれるマンガが、電子コミックへと確実に移行しつつある点には注意が必要でしょう。
2014年時点では、電子コミックは市場全体の2割程度しか占めていませんでしたが、2018年には初めて2,000億円を突破しました(電子コミック+電子コミック誌合算)。
推計では、2020年には、マンガ市場の過半数が電子コミックによるものになり、電子マンガ市場の拡大が今後のマンガ市場全体の成長をけん引していく可能性があると考えられています。

図2 電子書籍の市場規模推移

電子コミック市場の増加の背景には、海賊版サイトが閉鎖されたことも一因としてあるでしょう。
海賊版サイトが膨大なアクセス数を稼いでいたという事実は、マンガを読みたいと考え、実際に読んでいる人が多かったという事実を示しています。
これらのサイトの閉鎖が無料マンガ掲載サービスのアクセス数の増加に結びついているのは、その良い証拠だといえるでしょう。

こうしたデータから見ても、「マンガ離れ」という言葉は実態に即しておらず、市場規模は小さくなっているのではなくビジネスモデルが変遷している途中といえます。

広告マンガの市場規模は研究発表がない

それでは、広告マンガに絞った場合の市場規模はどの程度なのでしょうか。
マンガアプリの広告市場については、無料サイトの閉鎖も重なり、2019年度には約250億円まで伸びると考えられています。
しかし、ここには広告マンガ以外の広告も含まれ、また広告マンガの掲載先はマンガアプリのみではないことから、広告マンガそのものの市場規模は別に考えなければいけません。
詳しいデータがあれば良いのですが、現在はまだまだ発展途上にあるため、市場規模を詳細に研究した成果は出ていないと思われます。

ただし、制作会社やプラットフォームなどの業績から、市場が発展途上にあることは間違いないでしょう。
たとえば、広告マンガの制作に特化したマンガ制作依頼プラットフォームであるコミチが発表した業績は、2019年3月から9月までに10倍以上もの急成長を遂げています。
規模としても、1,000万円を突破していることが示されており、まだまだ今後の発展が見込める市場であることが窺われるでしょう。
株式会社コミチのプレスリリース(2019年9月30日)

「広告マンガ」の検索ボリュームは3年間で2倍以上に

広告マンガ市場はまだまだ発展途上ですが、一部のマンガアプリがマンガ広告を掲載してダウンロード数を伸ばしたことなどから、徐々に広告の新しい手法として知られつつあります。

広告マンガの検索回数は、最近3年間で約2倍以上になっており、電子マンガの普及とともに、電子広告の新しい手段として興味が持たれつつあることが窺えるでしょう。

図3 GoogleTrendによる「広告マンガ」の人気度

2019年に入り、Youtubeにおけるマンガ動画チャンネルや、マンガ動画CMの成功事例などが出てきたことを鑑みると、2020年は、従来型の静止画によるマンガ広告のみならず、動画形式でもマンガの利用が広がると考えられます。
実際にマンガビズのお問い合わせ実績としても、2020年にはいってからの約半数がマンガ動画に関するお問い合わせです。

広告マンガ市場は、サービスの業績の伸びからしても、表現形式の可能性の面から見ても、また、検索回数で確認できるユーザーの関心の面から見ても、2020年になっても引き続き成長が見込める市場だといえます。

インターネット広告のスタンダードがバナー広告から動画広告に変わっていったように、マンガ広告が当たり前になる時代が来る…ように私達も活動してきたいと思います。

マンガビズ編集部

この記事を書いたのは…

マンガビズ編集部