マンガのプロットとは?苦手な人でも失敗しない書き方・コツを伝授!
マンガ作りにおいて基盤となる存在が、プロットです。しかしプロットとは一体何なのか、どんな意味をもっているのかわからないという人や、あらすじ・ストーリーとの違いを理解できないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、プロットについての基本を詳しく紹介し、プロットが果たす役割について解説します。プロット作りが苦手な人でも優れたプロットを作れるようになるために、具体的な例も紹介し、書き方を解説していきます。
マンガのプロットとは何か?
プロットは、マンガを書くうえで最初に行う作業であり、構成を決定する設計図のようなものだと理解するとよいでしょう。
家や模型と同じように、マンガにも設計図は欠かせません。設計図なしでマンガをつくりはじめてしまうと、場当たり的な内容になり、話に矛盾が生じることもあります。
プロットには、原因と結果の関係を記すことが基本です。「何が起きて、どうなったか」という骨組みを作る作業をここで行い、その後に細かな設定を組み込んでいきます。
ストーリーとの違い
プロットとストーリーはよく似ていますが、違いとして挙げられるのは情報量の差にあります。プロットの情報量は最小限に抑えられている一方で、ストーリーの情報量は増えることが多いです。
ストーリーには、プロットの中の時間軸で起きたことを、すべて書くことが基本です。家でたとえるならプロットは骨組み、ストーリーはそれに壁や天井を付け足したものになります。ストーリー構成のポイントについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
あらすじとの違い
プロットとあらすじのもっとも大きな違いは、身内に向けてつくるか、読者に向けてつくるかという点です。プロットは関係者の間で共有するためにつくるものですが、あらすじは読者のために用意します。
プロットの場合は物語の全体像を記すため、結末や核心部分についても触れることになります。それに対してあらすじは、読者目線に立ってつくるものなので、物語を左右する結末については触れないことが多いです。
プロットとあらすじは、そもそも用意する目的が違います。関係者にとっては、あらすじではマンガ制作のための情報が不十分ですし、逆に読者にとっては、プロットがわかってしまうとマンガを読み進める楽しさが減ってしまうのです。
マンガのプロットにはどんな役割がある?
ここからはプロットがどのような役割を果たしているのか、より具体的に紹介します。以下の3点を実現させるために、マンガ制作にプロットはなくてはならない存在です。
マンガ全体像をすぐに把握できる
マンガを自分自身でつくっていると、全体像や世界観を見失ってしまうことがあります。そうなると、主人公をはじめとするキャラクターの設定を無視したようなストーリーに仕上がってしまう恐れもあり、読者を混乱させることになりかねません。
この問題を防ぐうえで、プロットは重要な役割を果たします。物語そのものの基盤を整理して、振り返りながらマンガ制作ができるため、全体像を正しく把握するために役立ちます。
製作途中のブレを防げる
プロットがあれば、上記のような問題から制作途中のブレが起きるのを防げます。話の本筋を整理できていないと、ストーリーに矛盾が生じる可能性もありますが、プロットを確認しながらマンガを作成することにより、決定的なミスを防止できるのです。
制作関係者に内容がすばやく伝わる
マンガを制作するためには、ネーム作りやセリフ決め、絵の制作、テーマの決定などさまざまなセクションで多くのスタッフが関与します。関係者の間で意思の疎通が取れていないと、作品の世界観やテーマを正しく共有できません。
作品作りの地図でもあるプロットを用意すれば、今回はどのようなストーリーの作品に仕上げていくのか、制作関係者にその内容がすばやく伝わります。作品に一体感をもたせるためにも、プロットの存在は重要視すべきです。
マンガのプロットを作る流れ
プロット作りには、テーマや世界観の決定と、5Wを意識することが重要です。
以下の項目で詳しく解説しますが、「主人公が、さらわれたヒロインを助けるために、敵のアジトに乗り込んで、ヒロインを助ける」というような全体像を決めましょう。
テーマや世界観を決める
マンガを通じて訴えかけたいテーマや、その背景にある世界観を決めることがプロット作りの第一段階です。
「青春のすばらしさを伝える」「愛情の大切さを訴える」「命の尊さを伝える」「社会問題を投げかける」など、ベースとして選ぶべきテーマは多く存在します。誰に向けて、何を伝えたいのかを最初に決めておくことが、プロット作りのコツです。
5Wを意識して「原因」「結果」をつくる
When、Where、Who、What、Whyをまとめて「5W」といいます。これはプロットをつくるうえでとくに意識するポイントになります。なぜなら、いつ、どこで、誰が、何を、何のためにという5項目を組み込んだプロットにまとめると、わかりやすさが増すからです。
この5Wを意識すると、「何が起きて」「どうなったか」という原因と結果を明確にできます。しっくりくるものができたら、5Wに合わせてより詳しいストーリーを作りましょう。
良いプロットを作るためのコツ、気をつけるべきこと
プロットの作り方は、基本さえ押さえてしまえば難しいものではありません。しかし、よりよいプロットを作るためには、この基本に加えてコツや注意点を覚えることも大切です。
ここではとくに重要な4つのポイントについて詳しく解説します。
起承転結などのテンプレートを意識する
よく売れている他の作品を読みながら、王道パターンの勉強しておくと、作品作りの重要なヒントになります。よく使われるパターンとは、読者からのウケがいいパターンともいえるため、無視できません。
マンガアプリやソフトなども活用しながら、起承転結などのテンプレートを見つけましょう。とくにはじめてマンガ制作を行う場合は、意外性を狙ったものよりも、王道パターンからプロットを作るように意識することが大切です。
内容を詰め込み過ぎない
プロットには、必要最低限の情報だけを組み込みます。沢山のアイデアが浮かんでくると、さまざまな要素をプロットに組み込みたくなってしまいますが、その作業はストーリー作りで行いましょう。
場面や登場人物の心象変化にも着目する
キャラの心象が変わらないまま話が進んでしまうと、平坦で盛り上がりに欠ける作品に仕上がってしまいます。登場人物の心象変化にも着目した書き方を心がけて、その後に決めるセリフや絵に幅をもたせられるような設定を作ることがポイントです。
たとえば、主人公がヒロインを助けに向かっている途中で、仲間だったはずの一人が敵に感情移入してしまうことがあるかもしれません。登場人物の人間味が出る作品に仕上がれば、作品に深みが生まれます。
他の人の意見も聞いてみる
プロットの段階でウケないものは、着色してストーリーを作ったとしても、やはりウケない可能性が高いといわざるを得ません。プロットの評判が悪ければ、その段階で制作をストップし、プロットそのものを見直しましょう。
作者が自信をもっていたとしても、作品の良し悪しを決めるのは読者です。客観的な評価が重要なので、他の人の意見をしっかりと聞きましょう。ときには第三者のアイデアも取り入れながら、多くの人に受け入れられるプロットを作ることが大切です。
まとめ
マンガにおけるプロットは設計図のようなもので、マンガを制作するスタッフの間で共有するために作ります。あらすじと混同されることもありますが、あらすじは読者に向けて用意するものなので、そもそも用意する目的が違います。
プロットを作る際には、起承転結などのテンプレートを意識して、内容を詰め込み過ぎないように注意することがとくに重要です。プロットが完成したら第三者からの意見を聞き、評価が低ければプロットを作り直しましょう。
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