漫画のストーリー構成のポイントを解説!起承転結以外の展開も紹介
漫画と言えば画力が最も重要な要素だと思われがちですが、それと同等にストーリー構成も重要なポイントです。そして、ただ思いついた物語を描くだけでなく、魅力的な構成を考えることが非常に重要な作業となるのです。
この記事では、漫画のストーリー構成について解説していきます。基本となる起承転結以外にも展開の種類があるので、ストーリー構成に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
漫画のストーリー構成のポイント
漫画のストーリー構成を考える際に必要なポイントは主に3つあります。
- テーマを決める
- 漫画の設計図を描く
- キャラクターを決める
以上のポイントについて詳しく解説していきます。
テーマを決める
テーマとは、漫画を描く際に最初に決めなければならない軸となるものです。「読者に何を伝えたいのか」「自分はどんな漫画が描きたいのか」を考え、1つのテーマとして決めなければなりません。
このテーマがなければ、たとえ漫画を描き終えたとしても、軸のブレたメッセージ性に乏しいものとなってしまうでしょう。
漫画の設計図を書く
いきなり漫画を描き始めるのではなく、まずはプロットと呼ばれる漫画の設計図を書きます。プロットはその漫画の世界観や全体の流れを絵ではなく、文章や箇条書きなどで記すものです。
この設計図を書くことで全体の流れを把握し、ブレのないしっかりしたストーリーを作れます。また、結論を頭に入れておくことで、途中に伏線を入れることもできるようになります。
「描きたいエピソードやネタがたくさんある」という人は、あれもこれもと欲張りがちになり、本当に伝えたいことが伝わらなくなってしまう恐れがあります。一度プロットを書いておくことで、本当に必要なエピソードだけを厳選し「一番見せたい場面」を一番効果的に見せられるようになるでしょう。
キャラクターを決める
キャラクターを決める際に重要なポイントは、顔や服装といった容姿だけではなく、そのキャラクターの性格も詳細に設定することにあります。性格を決めておけばストーリー中にそのキャラクターの行動やセリフに一貫性が生まれ、より読者に感情移入してもらいやすくなります。
また、複数のキャラクターを登場させる時にも、前もって各キャラクターの性格を決めておけばキャラクター同士が似たような言動をとることがなくなり、バラエティに富んだ魅力的な作品となるでしょう。
背景を考える
キャラクターの性格を考える際に「どうしてそういう性格になったのか」という背景や過去エピソードを考えるとより深みが増します。
ここで考えた各キャラクターの背景は作中に必ずしも出てくるわけではありません。しかし、これがあるのとないのとでは、作品の深みや面白味がまったく変わってくるのです。
ストーリー展開の種類
ストーリー展開の種類には大きく分けて3つあります。それぞれの特徴と、どのように活用していくのかを解説していきます。
起承転結
日本の物語にもよく用いられる基本的な展開パターンです。4つの幕から構成されており、まとまったストーリー展開を作るのに有効な方法です。
・起:物語の始まり(主人公の日常や目的、事件の発生など)
・承:物語の展開(主人公の行動、事件の進展など)
・転:物語の流れが変わる(主人公の感情の変化、事件の予想外な展開など)
・結:物語の着地(主人公や事件の結末など)
気を付けなければならないのは、物語を4つに区切るからと言って、必ずしも4等分する必要はないということです。どの部分に重きを置いてストーリー展開させるのかも、作品にとって重要なポイントです。
序破急
3つの幕から構成されるストーリー展開で、起承転結よりもストレートにメッセージを伝えられるため、明確なテーマを打ち出したい時に有効な方法です。
・序:物語の導入(問題や葛藤を示す)
・破:物語の転換(スピード感のある展開や対立)
・急:物語の結末(解決や顛末)
物語が3つに区切られている分、起承転結よりもスピード感が出ます。物語が一気に展開していくことで「破」の印象が強く残ります。
ハリウッド式三幕構成
ハリウッド映画でよく使われている展開パターンです。日本では起承転結の4幕構成が主流となっていますが、世界的には3幕構成の方がメジャーな展開だと言えます。読者を惹きつけ最後まで楽しませる有効な方法です。
・第一幕:物語の発端(主人公の設定や状況を説明、他キャラクターとの関係性など)
・第二幕:主人公の葛藤(主人公が目的達成に向かって葛藤していく姿や逆境など)
・第三幕:物語の解決(冒頭とは違う方向へ展開し、物語が着地する)
このハリウッド式三幕構成は読者を「飽きさせない」ストーリー展開だと言えます。
まとめ
漫画のストーリー構成には「テーマ」「プロット」「キャラクター」の3つの要素が鍵となります。ストーリー構成を考え始める前にこれらを詰めておくことで、その後のストーリー構成が考えやすくなります。
ストーリー展開には「起承転結」「序破急」「ハリウッド式三幕構成」の3種類があり、それぞれ違った効果を与える展開パターンとなっています。 どのような目的で、どのようなメッセージ性を込めて漫画を描くのかによってストーリー構成が変わってくるので、その作品テーマに合った構成をしっかりと考えましょう。
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