気になる広告漫画の料金(2)カラーとモノクロで料金が違う理由
広告マンガの料金を調べるにあたって注意するべき点の一つが、カラーマンガとモノクロマンガで生じる料金の違いです。
一般的には、カラーマンガが1ページ4万円、モノクロマンガが1ページ3万5千円といった形で、カラーマンガのほうが料金が高いケースが多いです。
どうしてカラーとモノクロで料金が異なるのか?それは、単純にマンガ制作の技術としてカラーとモノクロでは異なるスキルが求められるためなのですが、「デジタル作画が進んだ今なら両方変わらないのでは」と質問を受けることもあります。
マンガビズでもカラーマンガとモノクロマンガでは原稿料・販売価格ともに差をつけています。その理由である「カラーマンガの制作スキルの多様性」について解説していきます。
「色彩感覚」というマンガ制作とは異なったセンス
「色」と言われるものが、いくつあるかご存知でしょうか?
印刷用で使われる「CMYK」という色の表し方で見てみると、C=シアン(青色)M=マゼンタ(赤色)Y=イエロー(黄色)K=キープレート(黒色)の4つで構成されるため、理論的には100×100×100×100で1億通りの色が表現できることになります(あくまで理論上で、実際の印刷では人間の知覚的にも技術的にも制限がかかります)
一方、デジタルデータとして使われる「RGB」という表現方法では、R=レッド,G=グリーン,B=ブルー、それぞれ0~255の範囲がありますので、255×255×255=約1,700万色の表現が可能です。
こうした無限とも言える色の組み合わせには、色彩に関する知識と、少なからずセンスが求められます。
一方、モノクロマンガではその名の通りモノクロですので、一般的にグレースケールといわれる256色の範囲で表現が可能です。
単純に色の数が少ないからモノクロのほうが安い!というわけではありません。モノクロの場合は逆に「彩度」が全く使えないということですので、青空を表現したくても夕暮れ空を表現したくても、いずれもグレースケールで表現しないといけないという、別のスキルが求められます。
しかし、それを可能にしてきたのが「トーン」という技術です。日本独自の技術であるトーンは、日本のマンガ黎明期から幅広く使われ、「こういうケースならこの番号のトーンを使う」という、一種の決まりごと、テンプレートが作られてきました。
更に、商業マンガは基本的にモノクロで作られるため、読み手もモノクロという表現に慣れています。そのため、全く色彩がないマンガであっても、「ああ、今は夕暮れなんだ」とか、「このキャラクターは茶髪だ」といったように、読み手の想像を持って色を補完してくれるのです。
カラーマンガの場合、そうはいきません。色彩情報はダイレクトに読み手に伝わるため、「ごまかし」が一切きかないのです。
色使いが苦手なマンガ家は、非常に苦戦します。配色には「アクセント」「コントラスト」「配色調和」「トーン配色」など、様々なテクニックが存在します。
これらを認識してマンガを作らないと、「せっかく線画は良いのに、色がついたとたんダサくなった…」ということが起きかねません。
色の塗り方にもパターンがある
ただでさえ色選びでスキルが要求されるのに、マンガの塗り方には様々なパターンが存在します。
- アニメ塗り
- CG塗り
- 水彩塗り
- 厚塗り etc…
塗りによってマンガの印象は大きくかわります。読み手に与えるイメージにも大きく影響するため、どういった塗り方にするのか?という点は広告マンガにおいて重要なポイントです。
更にマンガ家によっては得意な塗り方、不得意な塗り方、あるいは出来る塗り方、出来ない塗り方が存在します。
不得意な塗り方の案件を依頼する際は、もちろん制作の時間は通常よりかかりますし、マンガ家にとっても試行錯誤しながらの制作になります。
トーンなら、悩まなくてもいいのに…
こうした声をマンガ家から聞いたこともあります。
デジタルになったからカラーも簡単!というわけにはいかない
カラーマンガの制作には求められるスキルが多く、一筋縄ではいきません。
作業環境がアナログからデジタルになったことにより、「トーンを貼るより色を塗ったほうが早いんじゃないの?」とついつい思ってしまうかもしれませんが、
決して作業は楽になっているわけではないということをご理解いただければと思います。
広告マンガに限らず、業界全体として、カラーマンガにはその工数に応じてプラスの報酬を作家にお支払いしています。
カラーマンガの制作料金はモノクロマンガより上になるという仕組みについてお分かり頂けましたでしょうか。
その分、広告マンガにおいてカラーマンガの相性は非常に高いと言えます。商品イメージを適切に伝える、色のイメージを使って相手にインパクトを与える…
モノクロマンガよりカラーマンガが向いている案件、逆にモノクロのほうが向いている案件、様々ですので、「カラーとモノクロどっちがいいの?」と悩んだ際は一度ご相談ください。
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