マンガアプリの覇者は、どのアプリ?
皆さんは、最近マンガ雑誌を書店やコンビニで買われましたか?
紙の雑誌を最近読まれましたでしょうか?
20年前は,サラリーマンがマンガ雑誌を読みながら、通勤電車で出社する姿がよく見られました。
今や、スマホの中にすべて集約されて,マンガも小説も新聞も
すべて一つのデバイスで読めてしまいます。
マンガ雑誌を発行している出版社のみならず
大手IT企業も、マンガアプリ市場に参入し
マンガアプリも一通り出揃って、成熟期に入った印象があります。
そんな中、どのマンガアプリが市場を席巻していくのか
最新のマンガアプリ市場の動向を見ていきましょう!
1:マンガアプリとは
マンガアプリといっても様々なものがありますが
大きく分けて二つと言っていいと思います。
①出版社公式型
漫画雑誌を発行する、出版社主導のアプリ
②プラットフォーム型(総合型)
IT企業主導のアプリ
出版社は、発行しているマンガ雑誌の特色をある程度引き継いでいたり
IT企業はグローバルな展開を強みに
国内だけでなく、海外で人気の作品、WEBTOOONなどを積極的に取り入れていたり
それぞれマンガアプリの特色が出揃ってくることによって
ユーザーの取り合いではなく、すみわけができてきている印象です。
2:それぞれのマンガアプリの特色
1. 少年ジャンプ+(集英社)
- 特徴:
- ジャンプ作品が豊富: 『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』など、週刊少年ジャンプの人気作品が多数掲載されています。アプリ限定のオリジナル作品も豊富です。
- 最新話が無料で読める: 連載中の作品の最新話を無料で読むことができる。また、過去の作品も毎日1話無料で読める作品が多いです。
- 読者参加型: 「ジャンプルーキー!」という読者投稿型のサービスがあり、ここからプロデビューを果たす新人作家も多いです。
2. マンガワン(小学館)
- 特徴:
- 小学館のオリジナル作品: 『ケンガンアシュラ』や『モブサイコ100』など、小学館のオリジナル作品や限定配信作品が多く揃っています。
- 「ライフ」システム: 1日に最大8ライフ(1ライフ=1話分)無料で与えられ、それを使ってマンガを読むことができます。追加ライフを購入することも可能。
- 幅広いジャンル: 少年マンガから青年マンガ、女性向けマンガまで幅広いジャンルが揃っており、初心者からベテラン読者まで楽しめる内容です。
3. マガポケ(講談社)
- 特徴:
- 講談社の人気作品: 『進撃の巨人』や『五等分の花嫁』など、講談社の人気作品が揃っています。オリジナル作品も多数あります。
- ポイントシステム: 毎日ログインやミッション達成でポイントを貯めて、作品を無料で読むことができます。ポイントを追加購入して読むことも可能です。
- 雑誌連携: 週刊少年マガジンや別冊少年マガジンなど、講談社のマンガ雑誌と連動しており、雑誌連載中の作品をアプリで早く読むことができます。
4. マンガUP!(スクウェア・エニックス)
- 特徴:
- スクエニ作品が充実: 『鋼の錬金術師』や『咲-Saki-』など、スクウェア・エニックスの名作から最新作まで幅広く揃っています。
- 「UP」ポイント: 毎日2回(午前と午後)に分けて「UP」ポイントが無料で配布され、これを使ってマンガを読むことができます。追加ポイントの購入も可能です。
- アニメ化作品も多数: 人気の作品がアニメ化されることも多く、メディアミックス展開が強いのが特徴です。
5. LINEマンガ(LINE Corporation)
- 特徴:
- 多彩な無料マンガ: 毎日数話無料で読める作品が豊富で、特定の話数を「待てば無料」で読めるシステムがあります。
- 縦スクロール形式: スマートフォンで読みやすい縦スクロール型のマンガが多く、スマホに最適化されたUIが特徴です。
- ソーシャル連携: LINEの友達とマンガの感想を共有したり、LINEスタンプが使えたりと、SNSとの連携機能が強化されています。
- オリジナル作品: LINEマンガ独自のオリジナル作品があり、話題性のある新作をいち早く楽しめます。
6. comico(NHN Japan)
- 特徴:
- フルカラーの縦読み: comicoはフルカラーで縦読みスタイルのマンガが特徴。読みやすく、視覚的にも楽しめるデザインが魅力です。
- 連載形式: 毎週更新される連載作品が多く、無料で読める範囲が広いです。課金することで早く続きを読める「先読み」機能もあります。
- ユーザー参加型: ユーザー投稿機能があり、読者が投稿した作品が公式連載になることも。新人作家の発掘が盛んです。
- 多国籍展開: 日本だけでなく、韓国や台湾などでも人気があり、国際的な作品が多く揃っています。
7. ピッコマ(Kakao Japan)
- 特徴:
- 「待てば0円」システム: 一定時間が経過すれば次の話が無料で読める「待てば0円」システムが特徴です。これにより、多くの作品を無料で楽しむことができます。
- 韓国発ウェブトゥーンが豊富: 韓国で人気のウェブトゥーン作品が多く、縦スクロールでスマホに最適化されています。
- 豊富なジャンル: 少年マンガから女性向け作品、ファンタジーやロマンスまで、幅広いジャンルのマンガが揃っています。
- アプリ内の使いやすさ: インターフェースがシンプルで使いやすく、読みたい作品をすぐに見つけられるよう工夫されています。
8. マンガボックス(DeNA)
- 特徴:
- 毎日更新: 連載作品が毎日更新されるため、常に新しい話を楽しむことができます。掲載作品は基本的に無料で読めますが、最新話や特別編は課金して読むことも可能です。
- オリジナル作品: 多くの人気作家が参加するオリジナル作品が多数揃っており、アプリ独自の連載が豊富です。
- 多様なジャンル: 幅広いジャンルの作品が揃っており、どんな読者でも好みに合った作品が見つけやすいです。
- 広告モデル: 広告を視聴することで無料で読める話が増えるなど、広告モデルを活用した課金システムが特徴です。
9. マンガBANG!(Amazia)
- 特徴:
- 無料マンガが豊富: 毎日無料で読める話数が多く、人気作品も無料で提供されています。毎日チャージされる「フリーメダル」を使用して読むことができます。
- バックナンバーも読める: 過去の人気作品のバックナンバーを一挙に読むことができるため、一気読みしたい人に最適です。
- 有名作品が多い: 『北斗の拳』や『BTOOOM!』など、有名作品が豊富に揃っており、懐かしの名作も楽しめます。
- 使いやすいUI: シンプルで直感的なユーザーインターフェースにより、初めて利用するユーザーでも簡単に操作できます。
10. めちゃコミック(アムタス)
- 特徴:
- オリジナルの恋愛マンガ: 特に大人向けの恋愛マンガが豊富で、女性読者に人気があります。オリジナルの作品も多数揃っています。
- 試し読みが豊富: 1話だけでなく、2話目以降も試し読みができる作品が多いのが特徴です。気に入った作品だけに課金するスタイルが取れます。
- ポイント制: ポイントを購入してマンガを読むシステムで、少額から課金が可能。必要な分だけポイントを購入して利用できるのが魅力です。
- 広告モデル: 無料で読める作品や話数が多く、広告を見ることでさらに多くの話を無料で読める仕組みがあります。
11. サイコミ(Cygames)
- 特徴:
- ゲームとの連動: Cygamesが手がけるゲームのコミカライズ作品が豊富で、ゲームファンにとっては必見のアプリです。『グランブルーファンタジー』や『アイドルマスター シンデレラガールズ』などのコミカライズが読めます。
- オリジナル作品: 完全オリジナルのマンガ作品も多く、クリエイターによる新しい作品をいち早く楽しめます。
- 読みやすいインターフェース: スマホでの快適な読書体験を重視したインターフェースが特徴です。
- 無料更新: 連載作品は無料で読める範囲が広く、毎週更新される作品を追いかける楽しみがあります。
12.コミックシーモア(NTTソルマーレ株式会社)
- 特徴:
- 豊富な作品数: コミックシーモアは、国内最大級のマンガ配信サイトで、70万冊以上の電子書籍を取り扱っています。マンガだけでなく、小説、ライトノベル、雑誌など幅広いジャンルが揃っており、特にBL、TL(ティーンズラブ)、女性向け、成人向けの作品が充実しています。
- 読み放題プラン: 月額読み放題プラン「シーモア読み放題」が提供されており、2つのプランがあり。これにより、月額料金で多くの作品を定額で楽しむことができるのが大きな魅力です。
- 充実したキャンペーンと割引: 初回利用者向けの50%オフクーポンや、定期的なセール、ポイント還元キャンペーンなど、さまざまな割引キャンペーンが頻繁に行われています。これにより、気になっていた作品をお得に購入することができます。
- 無料作品や試し読みが豊富: 数千冊以上の無料作品が常時提供されており、新作から定番作品まで無料で楽しめます。また、購入前に多くの作品の試し読みが可能で、購入を検討する際の参考になります。
3:課金システム
書店やコンビニなどで、数百円で購入するマンガ雑誌と違い
マンガアプリの課金システムは少し複雑で
それぞれのアプリによっても多少違いあるものもありますが
主に以下のような課金システムがあります。
- ポイント、チケット課金
アプリ独自のポイントやチケットなどを購入して
好きな作品をポイント数に応じて読める課金システムです。
アプリによって毎日ポイントが無料で配布されることもあるため
一定数は無料で読むことも可能です。
- 先読み課金
好きな作品の最新話を、早く読みたい場合
課金して、通常より早く読めるようにするシステムです。
- 電子書籍課金
マンガアプリで無料で作品を読んだ後
気に入った作品を単行本として購入してもらうよう誘導します
単行本は、紙の単行本だけでなく、アプリ上で読めるものもあります。
- サブスク課金
月額料金を課金することによって
多くの作品を自由に読めるようにする課金システムです。
ただこの課金システムは、すべてのアプリが導入しているわけではなく
主に、ジャンプやマガジンなど、出版されているマンガ雑誌をWEB上で定期購読するためや、すでに出版されている単行本をまとめて読めるようにするために課金することが多く
アプリのオリジナルマンガが、自由に何度でも読めるサブスクではないことが多く、注意が必要です。
- 広告課金
こちらは課金と言うよりも
アプリ上の広告をクリックや視聴することで、アプリ独自のポイントやコインを獲得でき
それらを使うことで、マンガが読めるというシステムです。
- レンタル課金
一定期間、マンガをレンタルすることで、読むことができる課金システムで。
一定期間が過ぎると読めなくなります。
マンガをとりあえず一回読んでみたい人にはお勧めです。
以上のように、多くのアプリがある中から
まずはアプリをダウンロードしてもらわないといけませんので
初回は無料で作品を読めるように、設定されているアプリが多いです。
ただ、十数作品がひとまとめになったマンガ雑誌と違い
より作品単位で、課金されることが多くなることにより
作品の面白さ、何度も読みたい、続きが気になる作品作りが
必要になってきていると言えるでしょう。
4:マンガアプリランキング
ではここで、どのアプリが人気があるのか、弊社独自のランキングで見ていきましょう。
※このランキングは、アンケート結果や公表されているダウンロード数、売上などから総合的に比較した、弊社独自のランキングです。
- 1位:LINEマンガ
- 2位:少年ジャンプ+
- 3位:ピッコマ
- 4位:マンガワン
- 5位:めちゃコミック
- 6位:マンガBANG!
- 7位:ebookjapan
- 8位:マガポケ
- 9位:GANMA!
- 10位:マンガボックス
1位は国内で圧倒的なダウンロード数を誇るLINEマンガ
LINEという日本で国民的に普及しているアプリのアドバンテージを活かして
豊富な作品数と、新作オリジナルから定番の人気作、ウェブトゥーンまで網羅
マンガアプリを使うならまずはLINEマンガと言っていいほど、盤石な体制を整えています。
2位はジャンプ+
出版社公式のマンガアプリでは、頭一つ抜け出した印象のジャンプ+
数あるジャンプが生み出した、国民的マンガの人気に頼らず
週刊少年ジャンプと同様に、アプリ独自のクオリティの高いオリジナルマンガを量産
アプリ独自のファンも開拓し、確固たる地位を雑誌同様に築き上げています。
3位はピッコマ
世界的シェアで見ると、LINEマンガや他のアプリの追随を許さない
ここ数年間首位に君臨する絶対的王者のマンガアプリ
国内でもLINEマンガに次ぐシェアを誇ります。
今後国内ウェブトゥーン市場の動向によっては、国内シェアでもLINEマンガを抜く可能性も。
またLINEマンガ同様、女性の読者層も多いのが特徴で
どれだけ国内独自の大ヒット作を生み出し
日本のライトユーザーを取り込めるかが、今後のカギではないでしょうか。
4位はマンガワン
小学館初のアプリながら、過去の人気作だけでなく
新作オリジナルマンガにかなり力を入れているマンガアプリ
そのジャンルも少年漫画だけでなく、青年漫画、少女漫画、ホラー漫画など
ジャンルレスに近い展開で幅広い読者を獲得。
編集部の裏側を追った、ユーチューブチャンネルなども注目され
今後最も躍進が期待されるマンガアプリです。
5位はめちゃコミック
有吉弘行がCMキャラクターを務めるアプリとしても有名で
女性マンガや少女マンガにも力を入れており。
待てば無料で読めるため、コスパもいいアプリとしても人気を博しています。
5:熾烈なマンガアプリのシェア争いに勝利するためには
ある程度、作品数が制限されるマンガ雑誌と違い
無制限と言っていいほど、多くの作品を載せることができるマンガアプリですが
その影響で、作品数が多すぎて何を読めばいいのか
迷ってしまうのも読者の本音ではないでしょうか。
オリジナル作品が数ある作品群の中で、読者に作品をまず知ってもらうためには
ある程度のフックアップ機能が必要になってきています。
その代表が、『アニメ化』,そして『マンガ賞』になります。
アニメは若年層を中心に、多くの指示を得ており
マンガは読まないけど、アニメは観るなんていう人も多く出てきていますし
アニメを観てから、マンガを読んでみるような人も増えています。
そんな傾向から、テレビ局各局、配信媒体もアニメには非常に力をいれて投資しています。
このアニメ化効果によって 、一気にアプリユーザーの爆発的な増加も期待できます。
そしてアニメ化と同様、フックアップ機能があるのが、マンガ賞です。
ここで言うマンガ賞は、新人マンガ家賞ではなく、既刊されたマンガに対して送られる賞を指します。
代表するものには
主な受賞作:葬送のフリーレン、ゴールデンカムイ、テルマエ・ロマエ
主な受賞作:SPY×FAMILY、チェーンソーマン、進撃の巨人
主な受賞作:呪術廻戦、からかい上手の高木さん、ダンジョン飯
などがあります。
小説の芥川賞のように、受賞することで
書店に並んだり、ネットニュースになったり、SNSで拡散され、すぐに話題となります。
そしてその多くが映像化などメディアミックス化されています。
数多くの作品の中で、どの作品を読むのがいいのかを、読者が選ぶ基準になっていると言えます。
そして多くの新人作家と編集者は、このアニメ化やマンガ賞受賞などで
フックアップすることも、一つの目標として作品作りに励んでいるとも言えます。
6:まとめ
最初の項目で、マンガアプリには大きく二つあると説明させていただきましたが
出版社公式型もプラットフォーム型も、アプリが目指す先は
やはりそのアプリでしか読めない作品を展開して
国民的な大ヒット作品を、アプリからどう生み出していくかが
アプリの覇権を握る、大きなカギとなってきます。
ただここで注目すべき点は
その歴史の中で、マンガ制作のノウハウや技術が集約し、マンガ業界を牽引してきた出版社に
プラットフォーム型を展開するIT企業が、どうオリジナルマンガで対抗していくのか
そしてアジアを中心に市場を席巻している
縦読みマンガ(webtoon)がいかに日本の市場のシャアを獲得するかによって
マンガアプリ市場も変わってくる可能性があります。
作家にとっては
自分の作品を公開できる媒体の選択肢が増え、間口が広くなった結果
一方では、公開されても自分の作品が埋もれてしまう可能性も高くなってきました。
例えデビューできても、自分の作品をいかに多くの人に長く読んでもらうには
よりクオリティと個性を発揮する必要が出てきます。
いずれにせよ、どんな作品がアプリから生まれてくるのか
これからの展開が本当に楽しみです。
マンガビズでは、連載を目指している、あるいは連載中の作家さんを応援しています。
広告マンガでもそういった方の力を必要としています。
是非ご興味のある方はクリエイター登録フォームからご連絡ください。
※登録には、弊社既定のクオリティ審査がございます。
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