初めてでもわかる、WEBTOON(ウェブトゥーン)の作り方解説~知識編~
Webtoon(ウェブトゥーン)とは、韓国で生まれた、スマホなどデジタルデバイスで読まれることに特化した、縦読みマンガを指します。
ウェブトゥーンを一度は耳にしたこと、目にしたことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか
今やウェブトゥーンは、マンガの枠からはみ出して、一つの産業へと成長しています。
そしてそれは“マンガ業界”と並び、“ウェブトゥーン業界”とも言われるほどの事情規模に発展し
今後さらに飛躍すると見込まれています。
1:大ヒット作『俺だけレベルアップな件』
皆さん『俺だけレベルアップな件』というタイトルの、ウェブトゥーンはご存知でしょうか?
全く知らないという方に、この作品がいかにヒットしているかを解説しますと
『俺だけレベルアップな件』の原作は、韓国で2016年から連載された小説がもとになっており。
日本ではマンガアプリ、”ピッコマ”で、2019年に日本語翻訳版がウェブトゥーン化され連載。
2020年3月には、月間販売金額9,800万円を突破し
ピッコマのみならず、ウェブトゥーンを代表する作品となりました。
その後、2022年にアニメ化され、第二期の制作も決定しています。
今や数あるウェブトゥーン、どの作品から読んでいいか分からないという方には
『俺だけレベルアップな件』がおすすめです。
クオリティもさることながら、ウェブトゥーン特有の演出がちりばめられていますので
ウェブトゥーンの世界を体験するには、最適な作品ではないでしょうか。
『俺だけレベルアップな件』は以下から読むことができます。
https://piccoma.com/web/product/5523?etype=episode
2:果たしてウェブトゥーンは日本で大流行するのか
韓国では2022年の韓国のウェブトゥーン産業の総売上高は1兆8290億ウォン(約2000億円)を記録し
ウェブトゥーンの世界での市場規模は、5年後には推定3.5~4兆円規模になると言われています。
市場規模3兆円と言われてもピンと来ないかもしれませんが
現在のアニメ産業の市場規模と同程度まで成長するという推定です。
普段ウェブトゥーンをあまり読まない方にとっては
にわかには信じがたい数字かもしれませんが
それを示すかのごとく、TBSやU-NEXTがウェブトゥーン制作会社を設立し
あのAmazonが大規模な賞を設立するなど
大手企業が続々とウェブトゥーン市場に参入しています。
では本当に日本で大流行するのか
実はそのカギを握っているのは”クリエイターの質と数”と言えるのではないでしょうか。
読者が増えないと、市場規模が拡大しないのはもちろんですが
才能ある作り手が、ウェブトゥーンで大ヒット作を描きたいと
次々と現れるような市場
熱意あるウェブトゥーン作家が大ヒット作を世に送り出すことで
それに続けと、才能ある新人作家が参入していく
そういう流れを作り出せないと
従来の横読みマンガを超える市場まで発展することは、難しいと言えるのではないでしょうか。
例えばワンピースや鬼滅の刃のような、社会現象にもなった国民的マンガを
自分でも描きたい、社会現象を起こしたい、そういった熱意が生まれることによって
出版社に応募が殺到し、技術が蓄積されていき
そこから新たな大ヒット作が生まれる、そういった循環が
日本のマンガ業界は何十年にもわたって続いています。
あくまで筆者の肌感覚ではありますが
そういった循環は日本のウェブトゥーン業界には、まだ生まれていないと言えます。
3:大ヒット作家が生まれにくい原因は、作り方の違い?
ではなぜそういった循環が日本では生まれにくいのか
それには従来の横読みマンガとウェブトゥーンの作り方の違いにも、原因があるように思えます。
従来のマンガとウェブトゥーンの作り方の大きな違いに
ウェブトゥーンは、縦読みと絵がカラーであるという点が挙げられます。
①カラーマンガ
従来の横読みマンガでは、ほとんどの作品がモノクロで描かれています。
ウェブトゥーンはカラーで描くため
モノクロよりも、着彩という、色を塗る作業工程が大幅に増加します。
そのためウェブトゥーンでは、連載を続けられる制作体制を維持するために
細かい分業制が敷かれていることが多いです。
原作から作画まで、独りないしは、二人(原作と作画の分担)で制作できる横読みマンガとは違い
ウェブトゥーンでは、自主制作で投稿や持ち込みなどのハードルは、上がっていると言えます。
②縦読み=ページがない
また従来、横読みマンガでは
1ページ単位で、コマ割りという作業が取られますが
ウェブトゥーンの場合
縦にスクロールしていくため、ページという概念がないので
コマ割りという演出方法が変わってきます。
③没入感を高める
またストーリーの作り方でも
少し横読みマンガと、ウェブトゥーンでは違うと言われています。
具体的には従来の横読みマンガでは
各キャラクターを俯瞰した視点で描き、読者も第三者的な目線(神目線)で
各キャラクターに起きる出来事を、追っていくことができるという作り方ですが
ウェブトゥーンの場合は
演出上、1コマを縦のラインで、大胆に大きく使えるため
絵も迫力があり、セリフのサイズもより大きく使えるため、視認性を高めます。
こういったウェブトゥーン独特の演出も相まって
主人公の目線、つまり一人称で描くことによって
より読み手の没入感を高め、感情移入させることができます。
具体的に言うと、例えばドラゴンボールで悟空とベジータが戦っている場面で
従来のマンガの場合
悟空の攻撃のターン→ベジータの防御のターン→ベジータの攻撃のターン→悟空の防御のターン
ウェブトゥーンの場合
悟空の攻撃のターン→悟空の防御のターン
従来のマンガでは、悟空、ベジータも両サイドからの視点でコマを分けて描いていくのが通常ですが
ウェブトゥーンの場合
一人称ですので、主人公が攻撃と防御を繰り返していく視点で描くことでより
主人公の目線で、読者が追体験できる作り方にすることによって、より効果を高めます。
ただこれはあくまで特性であって
面白いか面白くないかは、あくまで読者の判断になります。
ストーリー作りの観点からも、従来の作り方と少し変える必要があるようです。
4:ウェブトゥーンと横読みマンガを見比べてみよう
では実際に、マンガ雑誌などで見慣れている横読みマンガを
絵やセリフなどそのままにウェブトゥーン化してみて
二つを見比べてみましょう
是非スマホで読んでいただくことをお勧めします。
ウェブトゥーン
マンガ
いかがでしたでしょうか?
どちらが読みやすかった、没入感があったなどは
それぞれ個人差があるかもしれませんが。
少なくともスマホで読んだ場合、ウェブトゥーンの方が
フキダシや絵を大きく表示できる分、読みやすかったのではないでしょうか?
さらに場面一つ一つに間を持たせることができるので
より没入感を持って、マンガを読むことができたのではないでしょうか?
5:ウェブトゥーンを制作するために必要なもの
また制作するにあたって
最も違う点と言っていいのが、デジタルでの作画が必要という点です。
現在も印刷が主流である、従来の横読みマンガは
紙にペンで描いて入稿できる、つまりアナログでの入稿が可能ですが
ウェブトゥーンは主にスマホでの閲覧を想定して作りますので
デジタルデータでの制作、入稿が必須となります。
※制作の一部を、アナログで対応できる場合もあります
・デスクトップPCかノートPC
・タブレットPC(ipad、windows tab)
・液晶タブレットかペンタブレット(デスクトップPCかノートPCの場合)
・作画ソフト(Photoshop、clipstudio、medibang paint)
デジタルデータで入稿をしなければいけないということは
制作にはPCやタブレットが必須となります。
またPCといってもデスクトップPCやノートPCの場合は
それとは別に、液タブや、ペンタブと言った作画ツールが必要になります。
もうすでにノートPCなどをお持ちの方は、ペンタブ
まだPC自体持っていない方は、Ipadを購入して使用するのがおすすめです。
またウェブトゥーン完成までは、PCだけではなく
描画ソフト(アプリ)が必要になります。
これは基本的にはマンガを描けるソフトであれば問題はありません。
特にウェブトゥーンを描くためのツールや設定が豊富に用意されている
クリップスタジオが一番お勧めです。
ただクリップスタジオは月額料金が必要となりますので
あまりお金をかけたくないという方は、無料のメディバンペイントがおすすめです。
6:ウェブトゥーンを作ったら、そのあとは?
ウェブトゥーンを作ると言っても
なんのためにそんな時間を?と思われるかもしれませんが
実は現在ウェブトゥーン業界では
どの会社も、新人発掘に力を入れており、多くの賞が設けられています。
代表的なもので言うと,あのAmazonが主催する
Amazon Fliptoon 縦読みマンガ大賞の優勝賞金は総額1億円(※応募は締め切っています)
https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=23819878051
KADOKAWAが主催するタテスクコミック大賞では
大賞受賞者に300万円+連載確約と
https://promo.kadokawa.co.jp/tatesc
と各社、大々的に資本投資しています。
これだけでもウェブトゥーン市場への期待感が伺えます。
何気なく描いたウェブトゥーンが、もしかしたら賞を取って
デビューなんてこともあるかもしれません。
是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
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次回ではより具体的なウェブトゥーンマンガの描き方を解説いたします。
是非合わせてご拝読くださいませ。
また弊社では、ウェブトゥーンを描けるクリエイターさん
ウェブトゥーンを使って広告を打ち出したい企業様を大募集しております。
是非お気軽にご連絡くださいませ!
≪参考サイト≫
https://confidence-creator.jp/column/3255/#toc-4
https://www.gii.co.jp/report/moi1408395-webtoons-market-share-analysis-industry-trends.html
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