広告マンガの作り方 8)二次利用を想定したマンガの描き方
1:二次使用とは
まずマンガの二次利用とはどういうものを指すのかと言いますと
時事用語辞典では以下の通りです。
二次使用権とは既存の著作物を編集、翻訳、映像化したり、キャラクター商品化したりする権利。
商業漫画では主に作家個人や、作家のマネジメント会社、出版社などがこの権利を所有している場合が多いため、マンガを原作とした、映画やアニメ、ゲーム化などにメディアミックス化され、さらにはグッズ化、海外展開などマルチに展開されます。
近来ではマンガで人気に火がついた作品は、メディアミックスされることが当たり前になりつつあります。
2:広告マンガの場合の二次使用
広告マンガの場合であっても、二次使用は存在します。
広告マンガの場合で、二次利用されるケースで言えば、チラシ用に制作したマンガをHPや、バナーなどに使用するケースやその逆のパターン、あるいは簡単に動きをつけて、動画にする等の場合が多いと言えます。
ただ商業マンガとは違い、連載などで人気を上げていくことは少ないので、映画化や商品化などのメディアミックス化されることは、なかなかありません。
逆に『島耕作』や『ブラックジャックによろしく』のように、すでに存在する著作物をあえて使用し、広告に使う場合もあります。
作品によっては、インパクトは絶大ですが、それだけ費用がかかったり、二次利用に対して、細かい制約がある場合もあります。
3:二次利用する際の注意点
注意しなくてはいけないのが、契約によっては制作を依頼した発注者側であってもマンガを二次利用することはできません。
二次利用を視野を入れている場合は、二次利用を許諾している制作会社を選択するか個人の作家さんなどの場合、契約の際交渉する必要があります。
また、いざマンガを作ったとしても、2次利用を想定してマンガを作ってなかった場合は、2次利用したくても、使用料とは別に2次利用として使えるよう編集するための追加費用が発生する場合もあります。
そのため、2次利用したい場合は、どのように使用するか想定して制作にかかる必要があります。
4:2次利用を想定したマンガ作り
2次利用で様々なプロモーションを展開できると紹介させていただきましたが、では実際にどう作れば2次利用しやすいのか、なかなか分かりづらくあります。
2次利用の際は多くが、登場人物をカスタマイズして2次利用することが多いと言えます。
簡単に言ってしまうと、マスコットや、キャラクタープロモーションと言われる類のものです。代表的なものは、多くの方に愛されているキティちゃんやドラえもんがそうだと言えるのではないでしょうか。
広告マンガでも、マスコットや、象徴的なキャラクターを作ってほしいという依頼もありますが、広告マンガの場合、キャラクターに重きを置いてしまうと、肝心な伝えたい内容から、横道にそれてしまう危険性もありますので気をつけないといけません。
では、広告マンガの場合どうやってキャラクターを作っていくか。
広告マンガのみならず、マンガを作る際、必ず必要な登場人物が主人公とそれを”導くキャラ”になります。
主人公はお分かりになるかと思いますが、それを”導くキャラ”とは、簡単に言うと主人公が一人悩み、行動し解決するだけではドラマやストーリーは生まれにくく、多くのドラマは、人と人が交流・対話することで展開していきます。
時には家族として、友人として、恋人として、ライバルとして、師として、主人公と対話し交流することでストーリーが生まれます。
有名なマンガの分かりやすいところで言うと
・ドラえもんののび太とドラえもん
・明日のジョーの矢吹 丈と丹下段平
・うる星やつらの諸星あたるとラムちゃん
のような関係が、それに近いと言えます。
これを広告マンガに例えると
・主人公は新入社員
・それを導くキャラは、教育担当の先輩社員
何も知らない、分かっていない新入社員を先輩社員が指導、教育することでストーリーが展開され、新入社員の目線を通じて、読み手にも伝えたい内容が分かりやすく提示されていきます。
ドラえもんが秘密道具の使い方を、のび太に教えている光景をイメージすると分かりやすいかと思います。
もちろんこれは、あくまで設定の例の一つですが、こういう風にキャラの立場、性格、相手との関係をしっかり決めることで2次利用したい際、どういったシチュエーションで使うかが分かりやすくなります。
新入社員と先輩を、男性と女性どちらにするかでもキャラクター性が変わり、その後の展開も変わります。
その他には、主人公がお客さん、導くキャラが店員というパターンもあります。
悩みを持つ主人公がふと目に入った広告をきっかけに、お店を訪れ、店員が主人公を導き、そのお店のいいところを紹介していく。リアリティがあり、読者はお店にわざわざ行かなくても、マンガ疑似体験できる仕組みになっています。
広告マンガの場合では、大きく分けると上記のパターンが王道と言えます。
こうして、二次利用の際は登場人物のデザインだけでなく性格や立場などをふまえ、うまく活用していきます。
5:マンガ動画を二次利用する場合の注意点
近年では、スマホやタブレットの登場により動画の需要が日々高まっており、特にyoutubeなどの動画配信サービスやTwitterやInstagramなどSNSでも動画に特化した仕様に変化してきており、様々な場面で動画の広告が見られるようになりました。
マンガ広告でも、マンガ動画広告や、コミック動画広告と呼ばれ、アニメより簡易的ですが、マンガを使った動画の需要が高まってきました。
マンガ動画に関しては、マンガ動画用にマンガを描き下ろす場合と通常通り制作したマンガを、二次利用し動画にする場合があります。
何が違うのかと思われるかもしれませんが、大きく違うのは、前者はコマ割りが無く、後者はコマ割りがあるというところです。
動画の場合、画角はほぼ決まっており、通常通り制作したマンガを無理やり動画にすると、画面に余白が多くできたりします。
また例えば登場人物に動きをつけたい場合なども、それを想定したマンガの描き方をしないと思い通りの動きができないこともあります。
ですのでもし動画を作って、二次利用したいと思う際は、事前に、それを想定して作ることが必要です。
6:まとめ
せっかく時間と労力をかけて制作したマンガを、一度掲載、公開しただけではもったいない!うまく活用して、世界にただ一つの広告、キャラクター、マンガを展開してみませんか?あるいはキャラクターやマンガを考え、発信しただけで満足はしていませんか?
発信しただけで、バスったり、認知をしてもらうのは今の時代難しいと言える時代でより大事になっていくことは、発信し続けること、そしてより広く展開していくことかもしれません。
もしそういったことでお悩みでしたら是非弊社マンガビズまで、ご相談くださいませ。
その他、広告マンガの作り方シリーズのコラムは以下からご覧ください。
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